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2024年度 神奈川県立高校入試 (英語)「合格者平均47.0」が示すこと

ひどすぎる。神奈川県の中学生の英語は、もう壊れてしまっていると言っても過言であるまい。(中高一貫校は除く)

 

2024年度の県立高校入試英語の結果が「合格者平均点 47.0」。前年度の「55.3点」からの大幅な急落。しかもこれは「受験者の平均点」ではなく「合格者の平均点」なのである。

ここから「受験者全員の平均点」を推察すると、一定の数の不合格者のものがそれに加算されるのだから、さらに低くなるということである。おそらく「40点台前半」なのだろう。

例えば、難化したと言われる今年度の「大学入試共通テスト」の受験者平均点でさえ「読解51.5点・リスニング67.2点」である。そこから考えても「県立高校の英語入試の合格者平均点が40点台」というのはかなりの異常事態であることが分かる。今年県立高校に入学した新高1生の半数は入試問題で40点台しか取れずに入学したということになる。おそらくは半分以上の学校ではまともな英語の授業は無理でしょう。

 

「問題が難化したため」とかなりの教師や塾が言っているようだ。嘘です。

というよりもむしろこの近年の方が難しいものが多かった。

例えば、2023年度の「大問3の(1)」

A:Tom, you speak Japanese well.
B:I (          ) in Japan with my family for three years when I was a child.
1. lived  2. have lived  3. live  4. lives

解答は 1のlived 。for three years (3年間) に引っかかって現在完了・継続の用法だと思わせて 2 を選ばせようとするもの。

これは大学入試でも問われます。
I (          ) in America for two weeks when I was in high school.
1. have stayed  2. went  3. Have gone to  4. visited      <青山学院大学>

# ちなみに難化したとされる、今年度の「大問3の(1)」は?

A: Can you put that table by the door?
B: The table looks so heavy, so (          ) it without your help will be difficult.
1. move   2. moving  3. has moved   4. is moved

2が正解。後に will be , つまり V があるから主語になる動詞は動名詞の moving (動かすこと)しかないという、中2の内容。

もう一つ例えば 2022年度の「問5」の英作文

“ How long does it take to get there~ ?” が正解。「そこに到着するのにどれくらいかかるのですか」の意味で「時間がかかるの場合、takeを使う」ことが分かっていないと書けない。

これも大学入試でも問われる語法の問題。   
「ロンドンを観光するのに10日かかった」
(to / see / it / me / London / ten days / took / the sight / of). <獨協医科大>

# ちなみに難化したとされる、今年度の「問5」の英作文の場合は?

“ How many times have you watched~?” が正解。「何回、(試合を)見たことがありますか」の意味で、現在完了の経験の文章で学校の教科書(中2)でも登場するレベルの文。

などというように「今年の英語が急に難化したのではない根拠」はいくらでもあげられる。

 

ではなぜ、今年は一気に学力低下が起きたのか?

「2021年度の指導要綱の改定の影響」なのは間違いない。この2021年度に中1になった生徒たちが、今回の高校入試を受けているのです。

この改訂により、教科書の内容が「詰め込み」になりそれを教える学校や塾がそれに対応できなかった。その結果、生徒たちは英語をまともに学習できなかった、というのが実情です。

1年の1学期のlesson1で「be動詞・一般動詞がまとめて登場」し、これまで「中3で習っていた現在完了を中2で習う」ことになり、さらにはこれまでは「高校で習っていた仮定法・現在完了進行形が中3に降りてきた」。つまりこれまで高校の英語教師が教えていたものを中学の英語教師が教える単元があるということになる。(中学校の英語教員免許と高校の英語教員免許は別です)

なのに、学校の授業は「呑気に英語の歌を歌ったり、英語で自己紹介させたりなどといった英会話スクールのような」ことをやる。そんな暇はないでしょうに。一方でほとんどの塾は「アルバイトが教えたりしてそもそも講師に教える実力がなかったり」、また大手の進学塾は「できる生徒には実績作りのために熱心に教えるが、そうでない生徒たちは放置したり」してきた。塾は本来、できなくて苦しんでいる生徒を救うべきなのではないのだろうか?

この結果、大量の「英語ができない層」が生まれ、そこはひと昔ならば「一部の層」だったはずなのに、今や「ボリュームゾーン」となってしまった。。。

なのに、多くの学校や塾は「今年の英語が例年に比べて難化した」せいにして自分たちがやってきたことを誤魔化そうとしているかのようだ。

生徒はそういう勝手な大人たちの犠牲者だとも言えよう。

 

ライトハウス英語塾では「まともに英語を勉強したいのに、結果が出ていない」生徒たちにとことん寄り添います。

 

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