2024年03月15日
先日、当塾生が東京大学理科2類に受かった。
直前期に徹底的に英作文対策をしたのだが、不思議な現象に気が付いた。つい間違えるのが「中3~高1」の基本的な内容ばかりだった。例えば「deny 否定する」は「Oには toV ではなく Ving」など、東京大学を目指す生徒にしてみれば考えられないようなミスばかりだった。何故だか二人して考えてみた。そしてその生徒から出た言葉は「そういえば、それらを学習した時期はコロナ禍で授業は映像授業だった。」
そこで思い出したことがある。コロナ禍の時期は、私は都内の大手予備校も兼任していたのだが、「万全の対策をした上でのライブ授業参加」と「自宅での映像授業」と2つの選択肢を用意した。結果、「ライブ派」と「映像派」に2分された。そのあと予想しない結果が待っていた。
なんと、成績はライブ派の圧勝だった。その予備校では毎週、前回分の復習テストをやっていたのだが、映像で授業を受けていた生徒たちの多くは出来が悪かった。
その理由は何か?
その生徒たちに尋ねてみた。「ちゃんとやりました」という。がよく話をしていくと「意外とストレスが溜まった」「集中力が続かなかった」という声が聞こえてきた。しかしこれはちょっと考えれば当然といえば当然である。「パソコンやスマホの見過ぎは視力低下の原因である。水晶体が膨張し元に戻らなくなり毛様体筋が緊張してしまう。」というのが眼科医の見解なのである。このような有害な行為に肉体と精神が長時間耐えられるはずもない。
もちろん、ライブ授業でも途中で集中力が途切れることはある。が「周囲が頑張っているのを見て刺激を受け」リセットできたりする。また、講師が察知して「口調やリズムを変えたり、当てて発言させたり」してリフレッシュさせたりできる。(もちろん講師の力量次第なのだが)。しかしそれ以前にライブ授業は「目」という重要な人間の感覚器官に重大な危害を加えることはしない。
だから、当塾では映像授業は採用していない。
一部、サブとして補助的な利用は有効な場合もあるかもしれない。が決して学習の中心的存在にはなり得ない。そして成長期の子供たちへの身体的悪影響を考えるとそうなってはいけない。学校の教師がやたらにスタディサプリを勧めるという話をよく生徒から聞くが、まったく理解できない。
最近の中高生は、視力のみならず、英語力の低下も著しい。もしかしたら映像授業の普及もこの一因なのかもしれない。
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